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デンマークでローズウッドの家具が多く発表されたのが1960年代前半、それまではチーク材やオーク材が主流だった。荒々しい木目を持ちながら程よい艶感をまとい、大人っぽく上品さが際立つローズウッドは瞬く間に人気の樹種となる。しかし、1970年代には亜熱帯地域の環境保護のため、伐採禁止となりローズウッドの家具は激減する事に....。そんなローズウッド最盛期の1960年代に製作されたE.W.Bachデザインによるデンマーク製のキャビネット。

一般的には引戸、ないし両開扉+引戸の組み合わせが多いが、こちらは全て引戸。簡潔な意匠によってローズウッドの美しさは引き出され、同じ木目がリズミカルに並ぶ様子がその特徴をいっそう豊かに感じさせてくれている。本体の前面枠は内側に傾斜するように角度がつけられながら、先端に丸みを持たせそれはまるで額縁の如く美しい。また、左右の取手は緩やかなカーブを描くことで造形的な美を表現。対して中央取手はスリットを使用し、立体感を演出している。平面構成に留まることなく、こうしたディテールによって秀逸な前面意匠に纏められている。

内部は左右が扉1枚分の小さな収納、中央が扉2枚分の大きな収納スペースとなる。棚板は可動式なので収納物に合わせ調整すれば効率的に収納可能。左右上部には、引出がそれぞれ1杯備わり、底板にフェルトが貼られている為、腕時計やアクセサリーなど貴金属の収納に最適。

本体に対し、繊細な脚意匠によって視界の抜けも良好で圧迫感が軽減されている点も見事。本体下に通る幕板は歪みを防止する役割を果たし、リビングシーンでは書籍や日用品、またダイニングシーンでは大皿やカトラリーをたっぷりと収納していただけるだろう。デザイナーの意図したことが全て理解できている訳ではないが、意匠には全て意味があり、それらが連動しあうことで特異なる存在感を生み出す、まさにそれを体現したキャビネットではないだろうか。


コメント: 谷山


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Cabinet
20D06-0092
W1960 D440 H780 配送料金Eランク
E.W. Bach / Sejling Skabe / Denmark / 1960's / Rose wood
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