HIKE

1960年代、デンマーク製のスモールチェスト。コンパクトだけれどユーザー目線を考慮した実用性は素晴らしいデザイン。例えばリビングやダイニングの片隅で車のキー、メガネ、充電ケーブルといった生活雑貨や、日々届くダイレクトメールなどを収めるとテーブルの上が散らかることなくスッキリ過ごせそう。またはエントランスにセットしてスリッパ、シューケア用品を収めて天板にはお花とアートを。もしくは、ホームオフィスに便利なFAXやプリンターの台にも。引き出しには文具やコピー用紙などを収めるといい。

意匠的にも上手にまとめられていて、派手さを抑えた簡潔さを大切にしている。本体枠は小口が見えないよう接合部分が斜めに剥ぎ合わせられ、木目が天板から側面へと水が流れるようだ。だからこそ、ローズウッドの落ち着きある上品な木目がより美しく感じられるのだろう。半円形の真鍮つまみは風合いが増し、ヴィンテージとしての格式をグッと高めてくれるポイントになっている。脚はブラックに塗装され、夜には本体の陰にその身を潜める。シンプルながら美しい本体を見て欲しい、と言う作者の意図が伝わってくるところ。アノニマスですが、年月を超えた対話を貴方にも感じ取っていただきたい。

コメント：中島

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