HIKE

アノニマスながら美しい造形のヴィンテージチェア。背もたれのふくよかな造形、そして脚へと滑らかに接続する構成はまさに職人技と感嘆せざる得ない。メンテナンスにより色艶が戻り、半世紀のときを経たチークの深みと相まって彫刻的な美しさである。

シートは座枠ごとファブリックで包むことにより視覚的に要素を抑えられ、まるでニールス・モラーのようにミニマルな意匠にまとめられている。前後左右には的確に貫を配して構造的な安心感を高めつつも、シートの影に隠れるよう高めにセッティングしているので存在感をさほど感じさせない。

腰をおろしてみると、新たに交換したウレタンフォームが体を優しく受けとめてくれる。背もたれは見たとおり背中に馴染みいつまでも座っていられそう。ゆとりあるシートサイズなので、浅く座ったり、テレビに向かって斜めに座ったりと自由もきいて、団欒の時間がより快適に過ごせそうだ。

コメント：谷山

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