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1960年代、デンマーク製のキャビネット。箱物部分にはチーク材、それを支える脚部にはビーチ材が使われている。

このキャビネットの顔とも言えるのは、大きな両開きの扉。チーク材の美しい木目をシンメトリーに配し、それを際立たせるように他の要素はハンドルと蝶番のみ。ハンドルは無垢材削り出しで、蝶番は真鍮製だ。カプセルのような可愛らしいかたちの蝶番は経年変化により味わいを増し、小ぶりだが何とも魅力的な表情。色と素材のコントラストでチーク材を奥ゆかしく引き立てている。

扉を開くとゆったりとした収納スペースが広がる。つくりは内側にもチークを使ったとても贅沢なもの。上2つの棚板は可動式で、ニーズに合わせて細かく高さ調節ができるのが嬉しい。下の段は左右に2つずつ、計4つの引出しがセット。引出しは手掛け部分の丸みが手に優しく、スライドもなめらかで気持ちがいい。

深い色味のチークとはうってかわって、脚部には明るい色のビーチ材を使用。濃い色の箱物に対し、脚部には明るい色を持ってくる。これは明暗のコントラストで足下をより軽やかに見せる工夫だろう。要所に貫を入れることでしっかりとした安定感を生み出しているが、前面の貫は大胆にくり抜かれ、ここでも軽さが演出されている。

上部の箱物はチークの木目と深い色合いを際立てるため、そっけないくらいシンプルに。それを支える脚部は安定感を確保しつつ、できるだけ軽やかに――作り手のコンセプトは明快だ。高さも1460mmと目線より下に抑えられているため、たっぷりと収納できるのに圧迫感は感じさせない。よく練られた、熟練のデザインと言えるだろう。

収納力は抜群で、リビング、ダイニング、寝室や書斎など、どこに置いても活躍してくれそうだ。特にダイニングテーブルやデスクと合わせた場合、丈の低いローボードだとテーブルに隠れてしまうこともあるが、このキャビネットは適度な高さによりメリハリのある空間が生まれる。ダイニングなら食器やカトラリー、書斎なら本や書類、ファイルの収納にぴったり。ただ、扉を開いたときの表情もとても美しいため、あまりぎゅうぎゅうに物を詰め込むのは避けたいところだ。とは言えそれでも収納力は十二分。随所に工夫がほどこされ、一度使ったら手放せなくなりそうなキャビネットだ。


コメント:大塚


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- - - - - / - - - - - / Denmark / 1960's / Teak & Beech wood
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