SOLD OUTArchives

ハンス・ウェグナーが1945年に開催された家具展にて発表したイージーチェア。展示会のテーマは“未来の家”。デザインのベースは古いイギリス様式を踏襲しているように感じるが、よりモダンに、生産効率なども考慮されたリデザインモデル。当時はFritz Hansenにて製造されていた。

実は同じタイミングで発表されたボーエ・モーエンセンによる スポークバックチェアとは類似点が多く、これらは二人がアイデアを出し合って作り上げた共作のため。まだ二人が31歳の若かりし頃、切磋琢磨して作り上げた2つの椅子は、今も尚、Fredericiaよりスポークバックコレクションとして親しまれている。

腰掛けてみると、まず程よい弾力を感じながらシートがじっくりとお尻に馴染み、肩までサポートするセミハイバックの背もたれによって、ともに高い包容力を感じる。座面角度は抑えが効き、姿勢良く座りながらも程よいリラックも味わえる絶妙なシートポジション。テレビを見たり、本を読んだりすにも無理に頭を持ち上げることなく自然な体勢で長く腰掛けられる。この浅い角度なら立ったり座ったりすることが多い方には最適。背のクッションは革紐でフレームと連結され、座った際のルーズ感はなく、その一体感は素晴らしい。そのレザーは丁寧に手入れされておりコンディションは良好。

ビーチ無垢材によるフレームはウィンザーチェアのような背のスピンドルが特徴的でバッグショットがとても美しい。肘掛けは腕の丸みに沿うように表面を削り、後脚とのジョイント部分は強度を高めるため、接地面積を増している。直線的な構成は各部材と強固に連結。数十年経過しているとは思えないしっかりした作りは座ると安心感として体感できる。ウェグナーが椅子の巨匠と呼ばれる由縁は高い意匠性だけでなく、職人目線のデザインアプローチが重要なのだろう。


コメント:中島


新型コロナウイルス感染対策について


2000年のオープン以来、「物質の循環」「自然との共生」をメインテーマに、ヴィンテージ家具の永続的使用を追求し続けています。末長くお使いいただけますよう自社プロスタッフが可能な限りのメンテナンスを施しました。ご検討、ご購入前に下記を一読していただけますようお願いします。

ハイク品質と特性  生地張替  サポート  木材種類  無断転載について

Chair
200423-4
W650 D620 H690 SH450
Hans J Wegner / Fritz Hansen / Denmark / 1945 / Beech wood
SOLD OUT