HIKE

1960年代デンマーク製のヴィンテージチェア。フレームを構成するローズウッド材は、深い赤褐色の中に黒い筋が入っており木目の中でも独特の表情を表す。まるで椅子という入れ物の中でエネルギーが躍動しているようだ。現代ではワシントン条約で輸出入が制限されるほど希少となり、かつては誰しもが求め焦がれたのだろう。

木部は細さを意識して形作られている。貫は前後には設けずに左右上部にのみ控えめに備わり、繊細な印象に。シートに関しても座枠ごとファブリックで包んだことで見える木部を減らす工夫も秀逸。シートの四隅をかき込んで脚をセットする構造も中々凝っている。アノニマスながら作者の美意識が確かに感じられる。

それでは腰を下ろしてみる。背もたれの2本の笠木は背当たりが滑らかで、効果的に体をサポートする機能性に気付く。食事のとき、深く腰掛ければ下の笠木が腰にフィットしてくれるのに対し、食後の団欒でゆったり腰掛けてみると今度は上の笠木が背中をサポートしてくれる。ゆったりとしたシートと相まってリラックスした時間を過ごせるだろう。

ファブリックとクッション材は新たに交換済み。弾力は蘇り、前途の通り座り心地は申し分ない。硬質なローズウッド材と深いブルーのファブリックが合わさったことで上品で、モダンなチェアとなった。半世紀以上も前のチェアながら現代的なコーディネートにも対応してくれるだろう。同じローズウッド材のダイニングテーブル、もしくは大理石やガラストップのテーブルでも素敵そうだ。

4脚セット販売(@68,000 x 4)となります。

コメント：中島

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