HIKE

1960年代のヴィンテージローボード。本体を構成するローズウッド材は、現代ではワシントン条約で輸出入を制限される希少種である。躍動感のある木目からは雄大な自然物であることを物語っており、しっとりとした艶をまとった落ち着きはらった佇まいには上品さも感じる。

一般的には引戸（もしくは扉）と引出しの組み合わせが多いところ、こちらは全て引戸。簡潔な前面意匠によってローズウッド材の魅力が引き出され、同様の木目がリズミカルに並ぶ様子がその特徴をいっそう豊かに表現している。本体の前面枠（小口）は内側に傾斜するように角度がつけつつ、引戸よりも僅かに突出することで、まるで額縁の如く美しい。また、天板と側板の接合部を斜めに継ぎ合わせていることで、天板から木目が流れ落ちるような一体感も感じられる点も秀逸。そして、引戸のハンドルは Gunni Omann のキャビネットを彷彿させる緩やかなカーブを描くことで工芸的な意匠美を表現。平面構成に留まることなく、ディテールを大切にした作者に称賛を送りたい。

収納内部の棚板は可動式なので収納物に合わせ調整すれば効率的に収納可能。たっぷりとした収納力で部屋をいつでもクリーンに保って置けそうだ。さらに1カ所トレーが3杯備わり、ここもセットする高さを変更することが出来る。トレーの底板にはフェルトが貼られている為、腕時計やアクセサリーなど貴金属の収納にどうぞ。リビングにレイアウトした際は書籍や日用品を、ダイニングでは食器やカトラリー、ナプキンなどを収納するといい。広い天板には好みのアートや生花を飾っておくと心まで整えてくれることだろう。

コメント : 中島

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