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ボーエモーエンセンの代表作 「C18」。今なお作り続けられており、時代を超えて愛される名作のひとつである。デザインのモチーフとなったのは、18世紀後半から19世紀にかけてアメリカのシェーカー教徒達が生活の中で作り上げたシェーカー家具。ウェグナーが中国、明の時代の椅子をモチーフにChina Chairをデザインし、後にYチェアを作り上げていったように、彼のルーツはシェーカー家具にある。

シェーカースタイルは直線的で、シンプルな構成の家具。なぜこれをチョイスしたのかは、当時このテーブルを製作していたファクトリーであるFDBの背景にあるように思う。モーエンセンがチーフデザイナーを務めるFDBは、庶民の為に適正な価格の家具を作り出すということが目的のファクトリー。その為、「木材の無駄を少なく」「効率的な作業工程」「実用性の高さ」これらを重視した文化であるシェーカースタイルをリデザインすることは必然だったのかもしれない。その後、FDBから独立し、フレデリシアで隆盛を極めたモーエンセン。現在ではフレデリシアが図面を譲り受け、延べ70年間ものあいだ製作され続けている。

それでは、これらを踏まえてC18の特徴を見てみよう。このテーブルはたった4種類のパーツで構成されていることが分かるだろうか。天板、貫、そして脚に2種類。角や木端が丸く削られていたりはするが、複雑な加工は殆どない。各部材が出来上がったら、あとは組立てるだけ。簡潔にすればするほど、全体バランスやディテールが問われるものだが、ご覧の通り、大変美しいテーブルにまとめられている。私はここにモーエンセンの凄みを感じる。シンプルな構成ながら、シンボリックなT字レッグは唯一無二のデザインへと昇華している。T字レッグの恩恵は他にもある。幕板が天板中央に備わっているから、アームチェアを収めることが出来き、座った際の腿の窮屈さも感じさせない。

エクステンション無しのC18は過去何度かご紹介したことがあるが、今回ご紹介するのは珍しいエクステンション付き。拡張方法は非常にシンプルで、パイプの付いたスペア天板を両側から差し込むだけ。通常サイズで4人、スペア天板1枚追加で6人、2枚追加で最大8名座れるテーブルとなる。状況に合わせて変化できるのはとても便利。友人や家族を招いたときや、ホームオフィスとして沢山の資料を広げたいときなど、ライフスタイルの幅を広げてくれることだろう。きっと、家族の中心にはいつもこのテーブルがあるに違いない。

深みを増したチーク材の天板に対して、脚はビーチ材。メリハリの効いたコントラストがユニークで、軽やかな脚元がレイアウトのし易さを高めてくれるようだ。コーディネートするチェアの樹種もチーク、ビーチ、オークなど選択肢は広いのも嬉しい。1度迎え入れると長い付き合いになりそうだ。


コメント:中島


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Table C18
21D01-0150
W1600+(520x2) D820 H730
Borge Mogensen / Denmark / 1947 / Teak & BeechWood
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