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北欧家具デザイナーの中でも異彩を放つフィン・ユールが手掛けたソファ。

当時のデザイナーはウェグナーやモーエンセンのように木工マイスターの資格を取得し、職人と同等の知識や経験を有することが重要視された。そして、コーア・クリントが提唱した古典家具の構成要素を簡略化してシンプルにする、所謂「リ・デザイン」が家具製作の主流であった。しかし、フィン・ユールは家具ではなく建築を学び、かつ若い頃から美術や彫刻作品に関心があった為、独自の審美眼を養い、自由な発想で家具をデザイン。そのため、初期の彼の家具は木材を極限まで削り出した造形や有機的なフォルムが特徴である。

そのようなフィン・ユールと1953年から協力関係を築き、数多くのチーク材を用いた家具を生み出したのが、こちらのソファを製造したFrance&Son社。1966年に買収され、社名が変わった後もフィン・ユールとの仕事は続いたことから深い関係性にあったのだろう。また、職人泣かせとも言える彼の造形美やこだわりを可能な限り汲み取り、量産家具にすることで多くの人々が使用できるようにした功績は大きいと考える。上記背景を考慮し、こちらのソファを見てみよう。

木部は経年変化で深く色付いたチーク材。表に出る部分は少ないが、正面と背面から見た際に軽やかに見えるよう、脚部の厚みを薄くしており、W2050とゆったりした大きさながら軽やかな印象を与える。そして、何と言ってもこのソファで秀逸なポイントは張り込まれた背面とアームの形状。一見シンプルな背面だが、実は緩やかに弧を描いている。見た目の美しさも去ることながら、着座した際に背中のクッションが人の体に沿って凹むことを想定したデザインなのだろう。アームは鳥が羽を広げる姿を連想させるフォルムで、このソファの象徴。着座して腕を乗せるとスッと力が抜ける程良いポジションで、クッション性もあることから長時間乗せていても負担は少ない。また、横になった際に枕として使うことも可能で、別途クッションを用意する必要がないので便利。

クッションは硬めで傾斜も少ない為、胡坐をかいたり、体育座りをしたり、様々な姿勢で寛ぐ事が出来る。腰痛持ちで柔らかいクッションが苦手な方にもお勧め。3分割のシートは隣に人が座っても干渉されにくい構造なので、家族や友人とスポーツ観戦や映画をゆったりと楽しめる。もちろん1人でゴロッと横になって、音楽を聴きながら昼寝をする等、至福の一時も満喫してもらいたい。360度どこから見ても素敵なフォルムの為、壁を背にした配置だけでなく、空間の中央にもレイアウト可能でコーディネートの幅も広がりそうだ。

末永くご愛用頂けるよう、張地とクッション中材は新規に交換済み。座と背のクッションをそれぞれ定期的にローテーションし、着座する頻度を分散させることでより長持ちします。落ち着いたベージュの生地で、様々な空間に溶け込みやすく、チークの深い赤褐色が引き立つ佇まいに仕上げました。


コメント:萱野


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Finn Juhl / France & Son / Denmark / 1965 / Teak wood
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