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この美しきローボードはイヴ・コフォド・ラーセンによってデザインされた。ウェグナーやフィンユールらと同様、デンマーク家具を世に広めた功労者であり、彫刻作品の様な美しく繊細な意匠を得意とする。中でも“エリザベスチェア”は彼の代表作。呼び名の通り、エリザベス女王も愛用した椅子として知られていると知れば、彼が世界的なデザイナーであることは疑う余地もないでしょう。

こちらのローボードも意匠に思考が凝らされている。前面の木目をみてみると、中心から左右シンメトリーになるよう木目をよく吟味して使用されており、センターにまるで銀河の如く木目の中心が表現した秀逸な意匠。まるで木がそこに横たわるかのように自然界の雄大さを感じていただけるでしょう。その特徴をさらに活かすために要素は出来る限り抑えた平面構成とし、引出しや扉にはツマミは設けず、前板の小口に手掛けを設け ている。素晴らしき意匠への探求心はレイアウトの可能性も大きく広げている。

用いられる木材はローズウッド材。現代では輸出入が制限された希少種である。赤褐色の中に黒い木目が唯一無二な表情となり、艶を僅かにまとった様子からは静けさが漂う。その一方で躍動感あふれるエネルギッシュさも感じられて、その時の自分の感情を写すかのように様々な一面を見せてくれる。当時は上質な家具によく用いられていたが、家具以外ではギターやビリヤードのキューなど趣向性の高い逸品に利用されることが多いことからも、他の木材とは一線を画す存在と言える。

上段引出しは全てフリースペースですから、書類やお手紙をストックしておいたり、小分けトレーを用意して小物収納に活用できそう。下段の扉は中央2枚の扉が観音開き、両端の2枚は片開きとなる。本来なら観音開きが2か所でもよいところですが、木目を考慮して中央にしたのでしょう。それほどまでに前板の木目にこだわりを感じる。左端の扉を開いてみれば5杯のトレーが備わっ ている。こちらは引出してテーブルの上などに持ち出すことも可能。その他の扉内部にはそれぞれ可動棚が1枚ずつセットされており、内部もローズウッド材で仕上げられた上質な造りとなっている。

本体底部には四方枠が備わり補強されているため荷重には強い構造。それを外見からは全く分からないよう仕上げているのはラーセンの素晴らしきところ。コの字型の脚は本体の木目と同調するような弓なりのカーブがつけられており、直線的な本体に対してよきアクセントとしても効いている。意匠に傾倒することなく機能も重んじる点は家具デザイナーの面目躍如。


コメント: 谷山


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