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どこか牧歌的な雰囲気を漂わせるチェアのご紹介。

こちらのチェアを手掛けたのはGoran Malmvall。彼は現存するスウェーデンの老舗家具メーカーKarl Andersson&Sonersの創業者Karl Anderssonの末息子である。同社は1898年にKarl Anderssonが実家で「丈夫で持続可能な家具」をコンセプトに家具作りを行うことからスタートし、ボーエ・モーエンセンやカール・マルムステン等の北欧家具デザイナーの巨匠達とも数々の作品を生み出した。Goran Malmvallはカール・マルムステンの元で家具デザインを学んだ後、1982年まで父の会社の経営及び家具の設計で手腕を発揮した。

今回のチェアは「Svensk Fur」というスウェーデンパインを使用した家具シリーズの1つ。Goran Malmvallは他にもテーブル、アームチェア、ロッキングチェア、キャビネット等を手掛けた。北欧家具というとオーク、チーク、ローズウッド等の木材のイメージが強いかもしれないが、スウェーデンパインは1年のほとんどが雪に閉ざされた環境で育つため、木目が緻密となり、木肌が美しく、狂いの出にくい家具作りにおいて優良な材である。素材は一級品であることが分かった。それでは肝心の作りを見ていこう。

まずは座面と背面が板であるから座り心地はどうだろうか。少しの不安を抱えながら腰掛けてみると意外と堅さを感じずに気持ち良い。よく見ると座面は太腿やお尻に合わせて削られており、体圧が分散する設計になっている。サイズも程良い大きさの為、小柄な方にもフィット感がありそうだ。背面は中央がフラットかつ傾斜もあまり付いていないことから、背を立たせて座る正しい姿勢へと自然に導かれる。左右のカーブに体を預ける事はないが、意識下で包み込まれるような安心感があるのも嬉しいポイント。予想を良い意味で裏切ってくれる座り心地を是非楽しんで頂きたい。

また、脚部に目を向けてみるとシンプルなテーパードかと思いきや座面との接合部が細くなっている。一般的には強度を担保するため、接合部は太くすることが多いが、このチェアの座面は贅沢にも40mm厚のパイン無垢材を使用。厚みがあることで、脚を深く差し込めて耐久性のある構造となり、接合部を細くすることが出来ている。さりげない工夫だが、細部まで抜かりないところが80年前にデザインされ、今なお古臭さを感じない所以なのだろう。

座面が小ぶりで姿勢良く座れるためお子様の勉強椅子にもお勧め。 佇まいが美しいことから、玄関先やお部屋のコーナーにちょこっとレイアウトし、オブジェのように使用するのも素敵だろう。

ヴィンテージの風合いをあえてそのまま残した仕上がりです。コンディションがご不安な場合にはショップにて必ず現物をご確認下さい。


コメント : 萱野


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Chair
20D06-0041
W420 D450 H800 SH440 配送料金Bランク
Goran Malmvall / Andersson & Soner / Sweden / 1940's / Pine wood
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