HIKE

1960年代スウェーデン、Martinsson och Axelssonによるダイニングチェア。

素朴で可愛らしいフォルムはフィンランドを代表するデザイナー、イルマリ・タピオヴァ―ラのファネットシリーズを連想させる。ファネットシリーズを手掛けたEdsby Verken社がスウェーデンにあったことからオマージュしているのかもしれない。

座面はファブリックで包み隠さず、チーク材を露わにした潔い構成に。お尻のフォルムに合わせて僅かに窪ませたり、前方小口をクルリとカーブさせることで、フィット感が高まり長く快適に座っていられる工夫がなされている。また、広い背もたれにも体を預けることで体重を上手に分散させているよう。

フレーミングはビーチ無垢材。細い丸みを帯びた繊細さと、中ほどが少しふっくらとした優しさが感じられる。これを踏まえて脚に注目してみると、貫の接合箇所で膨らみがピークになっており、これは耐久性を高める工夫も兼ねている。これぞ意匠と構造を両立させた秀逸なデザイン。

バックショットはチーク材とビーチ材のコンビネーションが最もよく表現されており、丸頭のマイナスビスもアクセントとして効いている。ダイニングチェアとしての活用はもちろんのこと、お部屋のコーナーや玄関先に置いておくことでアイキャッチな存在となるだろう。

コメント：萱野

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