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フィンランドを代表するデザイナー、イルマリ・タピオヴァーラ(Ilmari Tapiovaara, 1914〜1999)によるマドモワゼルチェア。

タピオヴァーラはフィンランドのアルヴァ・アアルトやパリに事務所を構えていたル・コルビュジエの下で働いた後、家具デザイナーとして多くの名作を残した。このマドモアゼルチェアもそんな名作の1つで、1956年の発表から現在まで製作が続いている。現行品はArtek社から出ているが、こちらはEdsby Verken社が製作したヴィンテージ。タピオヴァーラと協働して多くの作品を作り上げた、スウェーデンの名門ファクトリーだ。

マドモアゼル、という呼び名はまさに言い得て妙だろう。その名に違わず、この椅子の上品かつ優雅で、どこか取り澄ましたような姿には抗いがたい魅力がある。スラリと伸びた9本のスポークは1本1本の角度、長さが計算された緻密な造りで、背中に驚くほどぴったりと沿う。スポークが陰を帯びる様子もまた美しく、モダニズム建築の柱や吊橋のケーブルのような構造美を感じさせる。視界の抜けも良く、自然光や照明によって床や壁面に映し出される影にもハッとさせるような美しさがある。

座面はゆったりとした広さで、お尻のかたちに合わせてなだらかな窪みがつけられている。座面高は低く抑えられ、背もたれも背中全体を包み込むようなデザインだから、座ると自然とリラックスした姿勢へと誘われる。スポークの角度や座面のカーブが巧みにデザインされているためか、クッション材がなくとも座り心地は驚くほど柔らかい。座面を支える脚部も地味だがいいデザインで、ふっくらと丸みを帯びた部材が適切な角度で組まれ、力を分散させるような構造になっている。

視界の抜けがいいため、リビングや書斎、寝室に置いても圧迫感がなく、空間にいいアクセントを与えてくれる。普段は壁際に置いておいて、気候がいい日には窓際に持っていってのんびり、なんて使い方もありだろう。マドモワゼルの優美な姿が、どこに置いても空間にそっと華を添えてくれるはずだ。

ヴィンテージの雰囲気を残すため、リペイントしていません。小さなハゲや傷などがありますので、状態が気になる場合は現物確認後のご購入をお願いいたします。


コメント : 中島


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Easy Chair
220109
W540 D610 H895 SH375 配送料金Cランク
Ilmari Tapiovaara / Edsby verken/ Sweden / 1956
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