HIKE

オランダ人デザイナーCees Braakman(ケース・ブラークマン)によるライティングキャビネット。

こちらは自身のキャリアのスタートをきったファクトリーPastoeにて製作されたもの。同社の設計主任は彼の父が務めており、幼い頃から家具は身近な存在であった。デザイナーとしては恵まれた環境の中で育ってきたのですが、やがて第二次世界大戦を迎え、彼の父は息子をアメリカへ送ることに。互いに複雑な心境であったと思うが、異なる文化との出会いはブラークマンにとって重要な機会となった。イームズに代表されるミッドセンチュリーの名作に強い影響を受けたブラークマンは帰国後、成型合板の実験を開始し、Posteoでモダンデザインの家具を多く発表。幾何学的形状と革新的なテクノロジーを用いた彼の作品によって、オランダのデザイン史に大きな影響を与えたとされる。

ヴィンテージらしい飴色に経年変化したオーク材とバーチ材で構成された本体。多くのライティングビューローには引き出しや扉等が備わるが、フルオープンスペースの上部と下部はデスク部分を展開した際にもアクセスしやすく重宝しそう。下段は可動棚によってお手持ちの書籍に合わせて調整できるのが嬉しい。デスクの天板部分を開いた内部にはオリジナルペイントの棚板とレターケースが備わる。簡素な作りに見えるも、レターケースの全面小口に緩やかなカーブを施すなど私たちの心を掴んでくれるディテールがある。天板はコンパクトながら、ノートPCや軽作業など自宅で仕事をこなすには十分な広さ。作業に必要な書類も手に取りやすく、デスクを閉じればあっという間に日常の空間に戻れる機動力が機能的である。

コメント ： 中島

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