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スウェーデンのデザイナー、イングヴ・エクストロームによるカップボード。彼は弟と共に1945年に創業した家具メーカー(Swedese社)で、スウェーデンを代表する名作チェア「Lamino」を生み出したことで知られている。Laminoは1956年に誕生したが、現地のインテリア誌で20世紀を代表する家具として読者に選出されるほど高い人気を誇り、現在も生産が続けられるロングセラー。彼はその他にも多くの家具を手掛け、ロンドンのVictoria and Albert Museumなどにも作品が展示されており、スカンジナビアンデザインを牽引したデザイナーとしての地位を確立している。

それでは、カップボードに注目してみよう。まず、最も印象的なのが下段2枚の扉に施された彫刻的な装飾。単純化させたカップやプレート、キャセロールなどを、まるで抽象絵画のように彫り込んでいる。デコラティブではあるが、くどくないバランス感覚は彼の類まれなセンスを感じさせる。このデザインは大工であった父親の影響で、小さな頃から木工や彫刻に親しんでいたからこそ生まれたものではないだろうか。

60年代の北欧ヴィンテージアイテムで背の高い収納家具と言えば、上台がオープン仕様になっているものが圧倒的に多い。しかし、こちらは上台にガラス扉が使用されており、収納した食器類を埃や汚れから守ってくれる。H1870と高さがあるため圧迫感が気になるところだが、視線の抜けが良いガラス扉かつ上段の奥行きも抑えられ、実際にはサイズ表記ほどの大きさを感じさせない。腰を折らずに頻繁に使う物の出し入れが出来ることは調理動線を考慮すればこの大きさも理にかなっている。

上段のガラス扉はローズウッド無垢材で構成され、シンプルながらも上質な額縁のよう。内部に納められた食器の魅力がより引き立つに違いない。右側の扉は鍵を用いて開閉し、左側は真鍮製のストッパーで開閉を行うが、このクラシカルな所作を楽しめるのもヴィンテージならではの醍醐味。内部も贅沢にローズウッド材で仕上げられており、可動式の棚板は厚みが薄く見えるよう前面に削りを入れる徹底ぶり。収める食器選びもより厳選されたものを買いそろえたくなりそうだ。

中段のガラス扉下のオープン部は下段の奥行を活かし、カップボードから取り出した食器や調理中の道具や食材などを一時的に避難させる場所として活用可能。何気ない一工夫だが、日々の使い勝手を高めてくれる重要な要素である。下段は浅い引出しが2杯と観音開きの扉によって構成。引出しは真鍮製のハンドルがアクセントとなり、クラシカルな美しさを放つ。内部はクリーンなため、安心してカトラリーやランチョンマット、キッチンクロス等を収納できる。台輪の前面にはブラックレザーを施し、全体の意匠を引き締めている点も見逃せない。

作り手が細部までこだわり抜いた作品だからこそ、使い手の美意識をより高め、日々の暮らしを豊かにする力を持っているのだろう。

上下段は分割式のため、背面の金具で固定する仕様ですので、狭い間口からの搬入でもご安心下さい。

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コメント : 萱野


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