HIKE

1960年代ローズウッド材のチェスト。

著名なデザイナーに負けじと工夫を重ね製作された時代の家具達は、アノニマスながら完成度の高いものが多く残る。 フレームに使用されるローズウッド材は、木の宝石や王様と呼ばれヨーロッパで古くから重宝された高級木材。 美しい木目と硬い材質のため、ピアノ、ギター、チェス、ビリヤードのキューなどの趣向品に多用された。 加工するとバラの様な香りが漂う事からこの名がついたと言われ、事実ローズウッドの家具をメンテナンスするアトリエはいつも甘い香りで包まれる。

引出前板は、ローズウッド材の板目模様を上手く配置しながら木目の流れを美しく表現している。ハンドルは、直線的な本体に曲線を意識した意匠で連続する円がリズミカルに並ぶ。手掛も良く、物をたっぷり納めても重さを感じず両手ですっと引出す事が出来る。4杯ある引出は、適度な深さで衣類はもちろん、日用品を収納するのに十分な容量。各引出し底板もクリーンで白いシャツも安心して収納していただける。量感のある本体に対してセットされる脚は先細りでやや外側に広がりがあり安定感のある仕様。腰高の天板上に、オブジェやフラワーベースをディスプレイすればより良い空間を演出してくれる事でしょう。

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コメント： 谷山

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