HIKE

極めてシンプルで潔いヴィンテージキャビネットが入荷。横幅が抑えられれば高さが出るというのが常であるが、幅1300mmに対して高さはダイニングテーブル程と珍しいサイズだ。また、コンパクトなのに端正な印象を受ける点も素晴らしい。サイズ構成はもちろんのこと、扉に柾目（真っすぐな木目）を用いたことでスッキリと感じさせる工夫なのだろう。

それでは扉を開いてみよう。扉には鍵穴やハンドルはない。扉の小口は斜めに角度がつけられており、ここに指先をかけて開閉する仕組みだ。このディテールはスマートで好感が持てる。ひとりでに開かぬようマグネットキャッチ仕様。グッと引くと、手前に倒れるようにフラップ扉がゆっくりと開く。観音開き（横開き）を想定していたので、虚を突かれた。だが、なるほど。横に長い扉なので、この方がコンパクトに開け閉めできるので利点がある。

扉を開けたことであらわになった本体小口。四隅は斜めに留まり、側面から小口を見せない工夫がなされている。ここまで一貫して要素を抑えるディテールが随所にみられ、アノニマスながら作者の意図が強く感じられるのは面白い。棚板は3段階の高さ調整が可能。最上段にセットして、地板から棚板下端までの高さが275mm、棚板を使用しない場合、内部の高さ435mm×幅615mm。これが左右2カ所。

レイアウトは色々なシチュエーションで考えられそう。ダイニングで食器棚としたり、書斎で資料を収納。天板は写真やアートをディスプレイしたり、プリンターを置いてみてもいい。デスクとほぼ同じ高さですから、チェアに腰かけたままでも天板上のスペースにアクセスしやすいのは機能的と言えるだろう。

扉を支えるステーは片持ち（1本）。開いた扉につい物を置いてしまいそうになりますが、破損の原因になりますのでご注意ください。ご購入後のリフレッシュメンテナンス、パーツ交換等、ご相談承れます。

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コメント：中島

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