VINTAGESelect Mid Century Modern Furniture

建築家Nils Strinning(ニルス・ストリニング)とその妻Kajsa(カイサ)によるウォールシェルフ「String」。1949年、大手出版社ボニエールによるブックシェルフのコンペティションで発表、そこで優勝すると、1954年のミラノ・トリエンナーレでも金賞、そして1960年代にはニューヨークにある国連本部オフィスに採用されるなど、国際的な評価を高めていった。本作は、本体がチーク材で構成されたヴィンテージだ。現代ではラインナップされていない樹種だが、構造自体は当時と殆ど変わりないことに驚かされる。壁面に固定する特殊なシェルフでありながら、熟慮された秀逸なデザインと言えるだろう。どうやら、ニルスはせっかちな性格であったそうだが、カイサは反対に検証と改良を重んじる落ち着いた人柄だったそう。作品名がニルスではなく、ふたりの性からとっていることからも、カイサの存在が単なるサポートに留まらない重要な役割を果たしたことが窺い知れる。

ボ二エールのコンペティションは“手頃な価格で、発送も簡単で、組み立ても簡単なもの”というテーマがあった。手軽さや組立に関しては、ラダー状に構成した細いスチールフレームを構造体に、それを壁面に片側上下2カ所を木ネジで固定するだけ。慎重さは要するが単純明快で、女性でも持てるほどのパーツを家庭用の工具で組立できるの点は素晴らしい。また、そこにセットするキャビネットのバリエーションも様々あり、組み合わせやサイズはユーザーの数だけ無限の可能性を秘めている。バリエーションは複数あれど、決まった規格に沿って製造することで共通するパーツも多数あることあろう。こういった工程はコストを抑えることにも大きな意味を持つ。

それでは本作を見てみよう。まず、左右の柱はブラック。上下にセパレートされており、分けて別の場所に取り付けることもできる。奥行きのある下段には細かな引出し5杯と片開きドアが備わるキャビネットをセット。メンテナンスによって開け閉めの動作はスムーズで、細かな生活雑貨を収めるのに重宝するだろう。その上には2段の棚板が。ここには書籍やオブジェを並べるといい。壁面が見えていることと、左右のスチールフレームの抜け感が良いので、一般的なブックケースよりも存在感を与えない点はStringの魅力のひとつ。その利点を活かして余白を設けながら収納することをお勧めしたい。最上部のガラスキャビネットにはお気に入りのティーセット、器、オブジェなどを。埃から大切な品々を守りつつ、日々眺めることができると気持ちも高揚することだろう。


木部はメンテナンスを行いましたが、ガラス戸、スチールフレームはヴィンテージコンディションです。ガラスの傷やチップ、スチールフレームの塗装剥がれや歪みなどございます。店頭で実物をお確かめの上、お申込みお願いいたします。

また、本作の組立配送は自社スタッフに限ります。よって、納品可能なエリアは都内近郊とさせていただきます。また、設置する壁面は木下地が必要です。石膏ボードは脆く落下の恐れがあるため設置できません。


コメント:中島



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Wall Shelf
19G09-0079
W795 D305 H1760
Nils Strinning / String Furniture / Sweden / 1949 / Teak wood
180,000円(税込198,000円)