チーク材で統一されたソファとテーブルのセット。手掛けたのはデンマークを代表するデザイナー、フィン・ユール。「Chieftain Chair」など、木材の限界に挑んだ芸術的な椅子がよく知られる彼は、孤高の職人ニールス・ヴォッダーと共に独自の美学を追求し、家具の彫刻家とも称される。こちらのテーブルは彼が家具メーカーFrance&Son社のために手掛けたディプロマット(外交官)シリーズのひとつ。各国のデンマーク大使館で多くの要人との対話に使用されてきたことで知られるこのシリーズは、フィン・ユールの芸術的なイメージとは違い控えめな印象だが、細部に目を向けると彼のデザイナーとしての個性が見て取れる。
水平垂直を基本とした木フレーム、ボタンがシンメトリーに整然と並ぶクッションなど、全体的に抑制の効いた厳格なデザイン。木フレームに合わせたテーブル天板の低さと奥行きも相まって、精神の落ち着く空間を作り上げる。座ってみると、スプリングが入ったクッションは深めに沈み込むが適度な反発感もあり、立ち上がる時、前のめりになって話し込む時など、様々な動作がしやすくなっている。失敗の許されない会話が繰り広げられる外交の場面に選ばれたことも納得がいく。また、背クッションは取り外し、フラットな座面にデイベッドのように寝転ぶこともできる。日常空間でも、適度な緊張感と寛ぎのバランスは、空間に張りを生んでくれる重要な要素だ。
ソファの座枠、テーブルの幕板には共通して、浅い彫り込みが施されている。決して華美にはならず、陰影によって主張の無い品格を与えてくれる、絶妙な装飾要素。ソファ背面にも同様の加工が施されており、後ろ姿も美しい。内側にテーパーのかかった脚部は一見すると貫と同じ角材に見えるが、角から内側にかけて丸く削られており、整然とした中にも柔らかな優しさを感じさせる。座部のフレームの内側は丸く掘り込まれ、クッションがしっかり収まるのと同時に外側からは頑丈な材の厚みを感じさせない、洗練された仕上がり。こうした、あまり気に留めることの無いディテールによって繊細な美しさを表現するところに、フィン・ユールのデザイナーとしての気質が感じられる。
このソファセットのように、複数のソファとテーブルが一体でデザインされることは非常に珍しく、今日まで揃って受け継がれていることも素晴らしい。ソファの隣にテーブルを付け照明を置いたり、来客にあわせて配置を変えてみたり、どんな使い方をしても空間として絵になってくれるだろう。
クッションは良好なコンディションのため、張替を行っておりませんが、別途料金でご希望の生地への張替も可能です。また、フレームはアトリエにてメンテナンス済みですので、ご安心ください。
コメント:田中
2000年のオープン以来、「物質の循環」「自然との共生」をメインテーマに、ヴィンテージ家具の永続的使用を追求し続けています。末長くお使いいただけますよう自社プロスタッフが可能な限りのメンテナンスを施しました。ご検討、ご購入前に下記を一読していただけますようお願いします。
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チーク材で統一されたソファとテーブルのセット。手掛けたのはデンマークを代表するデザイナー、フィン・ユール。「Chieftain Chair」など、木材の限界に挑んだ芸術的な椅子がよく知られる彼は、孤高の職人ニールス・ヴォッダーと共に独自の美学を追求し、家具の彫刻家とも称される。こちらのテーブルは彼が家具メーカーFrance&Son社のために手掛けたディプロマット(外交官)シリーズのひとつ。各国のデンマーク大使館で多くの要人との対話に使用されてきたことで知られるこのシリーズは、フィン・ユールの芸術的なイメージとは違い控えめな印象だが、細部に目を向けると彼のデザイナーとしての個性が見て取れる。
水平垂直を基本とした木フレーム、ボタンがシンメトリーに整然と並ぶクッションなど、全体的に抑制の効いた厳格なデザイン。木フレームに合わせたテーブル天板の低さと奥行きも相まって、精神の落ち着く空間を作り上げる。座ってみると、スプリングが入ったクッションは深めに沈み込むが適度な反発感もあり、立ち上がる時、前のめりになって話し込む時など、様々な動作がしやすくなっている。失敗の許されない会話が繰り広げられる外交の場面に選ばれたことも納得がいく。また、背クッションは取り外し、フラットな座面にデイベッドのように寝転ぶこともできる。日常空間でも、適度な緊張感と寛ぎのバランスは、空間に張りを生んでくれる重要な要素だ。
ソファの座枠、テーブルの幕板には共通して、浅い彫り込みが施されている。決して華美にはならず、陰影によって主張の無い品格を与えてくれる、絶妙な装飾要素。ソファ背面にも同様の加工が施されており、後ろ姿も美しい。内側にテーパーのかかった脚部は一見すると貫と同じ角材に見えるが、角から内側にかけて丸く削られており、整然とした中にも柔らかな優しさを感じさせる。座部のフレームの内側は丸く掘り込まれ、クッションがしっかり収まるのと同時に外側からは頑丈な材の厚みを感じさせない、洗練された仕上がり。こうした、あまり気に留めることの無いディテールによって繊細な美しさを表現するところに、フィン・ユールのデザイナーとしての気質が感じられる。
このソファセットのように、複数のソファとテーブルが一体でデザインされることは非常に珍しく、今日まで揃って受け継がれていることも素晴らしい。ソファの隣にテーブルを付け照明を置いたり、来客にあわせて配置を変えてみたり、どんな使い方をしても空間として絵になってくれるだろう。
クッションは良好なコンディションのため、張替を行っておりませんが、別途料金でご希望の生地への張替も可能です。また、フレームはアトリエにてメンテナンス済みですので、ご安心ください。
コメント:田中
2000年のオープン以来、「物質の循環」「自然との共生」をメインテーマに、ヴィンテージ家具の永続的使用を追求し続けています。末長くお使いいただけますよう自社プロスタッフが可能な限りのメンテナンスを施しました。ご検討、ご購入前に下記を一読していただけますようお願いします。
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