HIKE

Henry Rosengren Hansenによるダイニングチェア「Model 59」。彼はBrande Mobelindustriという自身のファクトリーを設立し、キャビネットやチェアなどを手掛けた。また、Hans OlsenやKurt Ostervigといった名デザイナーのプロダクトも製作していることからも技術力の高さが伺える。一見シンプルなこちらのチェアも彼のこだわりが感じられるので、順を追ってみていこう。

フレームに使用されるローズウッド材は深い赤褐色に黒い木目が特徴で、現在ではワシントン条約により輸出入が制限される希少種。硬質な艶をまとう様子が魅力的で、上品なダイニングシーンを表現できるだろう。背もたれの2本の笠木について表側は凹凸が無く滑らかに後脚と接合している。一方裏側は削り込みを施すことで陰影が生まれ、美しい後ろ姿に。このワンポイントがあるだけで彼がディティールを追及している姿勢が伝わる。

腰を降ろしてみると、面取りされ滑らかに仕上げられた2本の笠木は効果的に体をサポートする機能性を持ち合わせていることに気付く。食事や作業などで長時間座った際に姿勢を変えたときにも快適な背当たりを実現。ゆとりあるシートサイズも相まって様々な座り方や体格にアジャストしてくれるだろう。

そして座面の下に目を向けると左右に細い貫が1本ずつ。貫の位置を高めに設けることで、抜けの良い脚まわりをしている。また、前後には貫を設けない代わりに座枠後方は脚との接合部分を厚くすることで強度を高め、前方はシートの形状に沿ったアーチにすることで意匠のポイントとしている点は秀逸。

ファブリックとクッション材は新たに交換済み。弾力は回復し、座面のカーブはお尻の曲面と上手に沿ってベストなポジションへと導いてくれる。僅かに起毛立ち、光沢感のあるライトグレーのファブリックとローズウッドとの相性はご覧の通り申し分ない。

追記：2脚販売済、4脚セットの販売となります。

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コメント： 萱野

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