HIKE

Bernt Petersenによるイージーチェアオットマンセット。彼はデンマークを代表する世界的なデザイナーHans J Wegnerに師事した後、1963年に自信のオフィスを設立。このイージーチェアの骨太で堅実なフレーミングからもそれは伝わってくる。また、生産性が考慮されたシンプルな構成も彼の特徴で、直線的ながら素晴らしいバランス感覚のある意匠は、キャリアの早い段階から評価されていた。1970年代には王立アカデミーで家具科の講師も務めるなど、デンマーク家具界の発展にも力を注いでいたデザイナーとしても知られる。

低重心で高い安心感が得られるだけでなく、後方への傾斜が深いため安楽性にも優れている。部材の数も削減できることから環境保護やコストカットの観点でも秀逸である。特に量感のあるシンボリックなヘッドレストは、フレーム部分にクッションを包み込みジッパーの式のカバーで固定する大胆かつユニークな意匠で目を引く。直線構造ながら先端に丸みを持たせた脚部も相まってプレミティブナな印象。背面フレーミングの構造も美しく、壁面ではなく部屋の中央に置いておきたくなる程だ。

腰かけてみると座と背の角度が深くゆったりとしたシートポジション。スプリングは使用せず、帆布の下張りの上に厚みのあるクッションが乗る仕様で程よい硬さのウレタンフォームがしっかりと体重を支えてくれる。クッションサイズは幅広で大人の男性でもゆとりを感じるほど。ハイバックの背もたれは肩から首までサポートしてくれて、全身の力を抜いて身を委ねられ、オットマンに脚を預ければ至福のリラックスタイムとなる。趣味の映画鑑賞や読書をするのに最適だ。オットマンは汎用性もあり、スツールとして使用するのも良いだろう。

張地は、デンマークの老舗生地メーカーDANISH ART WEAVING社社の「Nice(ニース)」(￥25,900/m)。創業当時のラインナップをいまでも大切にする同社は、一貫した管理の中で行われる紡ぎ、染色、織りから生まれる高品質な生地を提供。そんな50年代の雰囲気をまとったクッションと飴色に経年変化したオーク、パインフレームは旧知の仲とも形容できるほどに上手に馴染んでいる。ウールとリネンの混合生地でさらりとした質感がとても気持ちが良く、風合いの変化を楽しんでいくことができそうだ。

イージーチェアはオーク材、オットマンはパイン材でのセット販売となります。

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コメント： 谷山

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