HIKE

オーレ・ワンシャー（Ole Wanscher）による、中性的で繊細なシルエットが美しいチェアセット。巨匠コーア・クリント(Kaare Klint)に師事し、クリントの教えである”リデザイン”をベースにしたスタイルには、中国やエジプト、ギリシャなどの古典的な家具の要素を見ることができる。自身もクリントの後を担いデンマーク王立芸術アカデミーの主任教授を務め、デンマークデザイン黄金期を形作った重要なデザイナーの一人。

こちらの椅子はクロスバックの背もたれが印象的。ここからも古代中国やイギリスの椅子を参照した事が想像できる。一見背当たりが気になるところだが、クロス部分が背中のポイントをきちんと捉えることでフィット感も良好。ゆったりとした座面幅と前方に向かって広がる形状により、姿勢を変える余地があり、長く腰掛けていることができそうだ。座り心地を確保しながら、意匠に対する細やかさにこだわりを感じる。脚と脚を繋ぐ貫は左右のみで抜けが良い。安定性のため設置点を後方にとった脚は、緩やかなカーブを描くことでこの椅子の後ろ姿を優美なものにしている。

木部は全てローズウッドで製作され、曲線と直線が生み出す陰影により深みのある艶が一層際立つ。日常の使用の中でダイニング空間を一段と上質なものにしてくれそうだ。

クッション張地、ウレタンフォームは国内にて新規に交換済み。張地はスイスのテキスタイルブランドFischbacherによるもの。毛足の短いベルベットのようなテクスチャで、さらっとした使用感ながら滑らかな手触り。ニュートラルなグレートーンとわずかな光沢がローズウッドの魅力を引き立ててくれる。

1脚￥100,000+tax。4脚セットの販売となります。

コメント：田中

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