HIKE

デンマーク家具黄金期に活躍したデザイナー、アルネ・ヴォッダーによるテーブルModel 227。美しい造形の家具を手掛けてきた伝説的デザイナーのフィン・ユールは指導者であり、よき友人でもあったとされており、デザインの思想に共通点が多かったことだろう。50年代から60年代にかけてデンマーク屈指の家具メーカーであるシバスト社と協力し、本作を含めて数多くの名作を手掛けた。その活躍はデンマーク国内に留まらず、ホワイトハウスをはじめ、銀行や空港などで採用されるなど世界的な評価を高めていく。そして、現代ではフィン・ユールと並び、ヴィンテージの分野において至高のデザイナーのひとりに挙げられる。

本作の特筆すべき点は機能。拡張性に優れる構成に注目してみたい。両側にバタフライ天板が下がり、大きなスペア天板も2枚付属。状況に応じて段階的に大きくすることができ、最大3m近くまで拡張可能。2名で使いやすいサイズから、8名ほどのホームパーティにも対応することから生活環境の変化に対応するロングライフなテーブルと言えるだろう。バタフライ天板は半円形状のため四角い部屋や四角い家具とのコーディネートに緩急をもたらし、動線を確保する点でも機能的だ。

2枚のスペア天板には幕板が備わり、連結した際に幕板部分が歯抜け状態になることなく一体感がある。つまり、拡張した状態は来客時の臨時ではなく、常時拡張した状態を想定しているということ。スペア天板の収納性よりも完成度を追及している点は美意識の高さゆえだろう。天板小口をよく見れば斜めの造形が施されたことによる陰影によって天板が繊細に表現されている。

構造上、スペア天板拡張時には中央が少し垂れます。2枚拡張時に特にその特徴が表れますので、補正に役立つスペーサーを添付いたします。

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コメント： 中島

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