HIKE

トーベ＆エドワード・キンドラーセン夫妻によるソファテーブル。デンマーク王立美術院にてコーア・クリントの元で学んだ二人は、家具や建築にとどまらず、銀器やテキスタイル、ジュエリーまでデザインの領域を自在に横断した。特に、当時としては稀有な女性デザイナーであるトーベの感性は、端正な造形の中にもやわらかな詩情として現れている。

長手の幅は少し広めの1400mm。3人掛けのソファに沿わせてもしつらえがよく、端に座る人が手を伸ばしても違和感がない設計。高さもやや高めに設定されており、読書や軽食の際にも無理のない動作でアクセスが可能。他のソファテーブルと違うのは、天板の長辺に緩やかな立ち上がりが施されている点。無垢材で立体的に形成されたその曲線は、視覚的なアクセントであると同時に、ものの滑落を防ぐという実用性も持ち合わせている。このようなディテールから、日常の動作や視線の高さにまで意識が及んでいるのが感じられる。

また、両端の天板下には拡張板が隠されており、片方が白のメラミン張り、もう片方がチェス盤になっている。チェス盤は色違いの突き板の組み合わせによって表現されており、チェスで遊ぶ習慣が無くともつい引き出して眺めていたくなる。一方メラミン貼りの拡張板は水や熱にも強いため、実用性に優れているのが特徴。どちらの拡張板も完全に引き出して、裏返すと飲み物や軽食を運ぶトレーとしての使用も可能。このような遊び心からは彼らが家庭で過ごす何気ない日常をいかに大切にしているかが伝わってくる。

構造面でも、天板と脚部、貫との接合はきわめて堅牢。余分な補強を見せることなく、静かに力強さを感じさせる構成に機能美が感じられる。脚は外側寄りに配されており、下肢空間を広く確保。ソファに深く腰かけ、足をゆったり伸ばしたときの心地よさにも繋がる。

素材は、現代では貴重なチーク材。柾目の流れるような木目が、端正な意匠によく合っている。長年の使用によって飴色に変化した木材の表情はヴィンテージならではの魅力。暮らしに調和する北欧家具の美学が詰まったソファテーブルは、時と共に色褪せることなく、日々の生活を支えてくれるだろう。

「カートに入れる」ボタンよりお申込み下さい。お振込・カード分割でのお支払いをご希望の場合はお問合せフォームよりご連絡お願いいたします。別途ご案内のメールをお送りいたします。

コメント : 田中

2000年のオープン以来、「物質の循環」「自然との共生」をメインテーマに、ヴィンテージ家具の永続的使用を追求し続けています。末長くお使いいただけますよう自社プロスタッフが可能な限りのメンテナンスを施しました。ご検討、ご購入前に下記を一読していただけますようお願いします。

ハイク品質と特性　　生地張替　　サポート　　木材種類　コーディネートサービス　　無断転載について