HIKE

デンマーク人のデザイナーErik Worts（1916〜1997）が1960年代にスウェーデンのIKEAのために手掛けたサイドボード”VIBORG"。HIKEでIKEA？と驚かれる方もいるかもしれないが、この時代のIKEAの家具は「ヴィンテージ・イケア」と呼ばれ、近年ディーラーやコレクターの間で評価が急上昇している。特に人気があるのは1960〜80年代のもので、著名なデザイナーが手掛けたものや優れたデザイン、素材で製作された良品が多い。

Erik Wortsは1930年代後半からデザイン活動を始め、1960年には代表作の「サファリチェア」をデンマークのNiels Eilersen社から発表している。彼がデザインした作品はHIKEでも過去に複数取り扱っているが、いずれも1960年代のもので、この頃彼はデザイナーとしての円熟期を迎えていたようだ。

こちらのサイドボードも1960年代のもので、シンプルにまとめられた要素にデザイナーの余裕を感じさせる。向かって左側は観音扉になっており、鍵をハンドル代わりに開ける所作がヴィンテージらしさを醸し出す。内部には可動棚が1枚備わり、仕切りもないので、書籍や日用品などをたくさん収納できそうだ。向かって右側には引出しが5杯。引出しは上部のスリットに指を掛けて引き出す仕組みで、スムースに開閉できる。また、シンプルな前面の意匠にスリットが心地良いリズムを与え、良きアクセントにもなっている。

オーソドックスな造りで使い勝手のいいサイドボード。高さは腰高に抑えられ開放感がある為、限られたスペースにもレイアウトし易い。サイドボード上の壁面にはアートやミラーを壁に掛けたり、天板には思い出の写真やオブジェ、オーディオなどをセットするといい。経年変化により深みを増したチーク材の色味は、空間に柔らかい雰囲気をもたらしてくれるだろう。リビングに、ダイニングに、あるいは寝室に。置かれた場所にスッと馴染み、日々の暮らしを豊かにしてくれるに違いない。

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コメント : 萱野

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