HIKE

スウェーデン人デザイナー、Nils Jonsson（ニールス・ヨンソン）による1960年代のサイドボード。北欧のサイドボードは幅2000mmほどあるものが多い中で、1270mmとコンパクトなサイズ感。都市部の限られた空間の中でもレイアウトしやすい魅力がある。

素材は、現代では希少なローズウッド。経年変化によって深みを増した流麗な木目が、限りなく簡素な意匠の美しさを引き立てる。鍵式の観音扉を開けると、左右に1枚ずつの可動棚が配された構成。家具を長く使っていれば、生活が変化していくのは当然のこと。棚の高さを調整することで小物や食器、高さのあるものまで柔軟に対応するシンプルなサイドボードは、リビングや書斎、キッチンなど場所を変えながら、長く生活に寄り添ってくれる。

直線的な意匠の中にも、テーパードレッグは軽やかな印象を演出。しっかりと貫で補強されており、多くの収納物に耐えられる頼もしさもある。このような構造と意匠のバランス、プロポーションの秀逸さに、デザイナーの手腕が感じられる。

サイドボードというと中の収納に気が行きがちだが、美しい木目の天板はディスプレイ台としての魅力も併せ持つ。天板上に草花やオブジェを飾れば、収納家具を超えて住まいの中に風景を作り出し、空間に持ち主の個性を添えてくれるだろう。

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コメント：田中

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