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デンマーク家具文化の繁栄に大きく貢献したボーエ・モーエンセンがデザインを手がけたサイドボード。

モーエンセンがFDBモブラーの創立から8年間務めたプロダクトマネージャーを経て、フリーデザイナーに転身後の作品であり、スウェーデンのファクトリー、カール・アンダーセンにて製作された。本作はÖresundという収納家具シリーズのひとつで、ブックケースやカップボード、ライティングビューローなど多様な種類のユニットを自由に組み合わせてレイアウトできるユーザビリティの高さが魅力であった。

19世紀から続く流れとして、大きく使いづらいクラシカルな家具が一般的だった当時の北欧において、モーエンセンのデザインは大きな意味をもつ。長い時間をかけて身の回りにどのような物があるか、その大きさはどれ程か、丹念にサイズを計測して大量のサンプリングを重ねたそう。それを設計に反映させることで、無駄のないサイズであり、かつ機能的な収納家具となる。こうした人間工学的な思考によって人々の生活を家具で豊かにしたことはもちろんのこと、後のデザインシーンにも良い影響を与えていることだろう。

本作はオーク材が経年変化により深く色付き、ヴィンテージならではの魅力を放つ。見るからに使い勝手が良さそうな構成になっており、ガラス戸をスライドすれば内部は左右で可動棚がそれぞれ1枚セット。可動範囲も細かく設定でき、棚ダボが見えずスッキリとした佇まい。お気に入りの食器やオブジェなどをディスプレイする様に収納するのに最適だ。

一般的にD450程のサイドボードが多い中、こちらはD360とスリムな設計。引戸のため、開き代も考慮しなくてよいので、動線が取りづらい場所でも重宝するだろう。一方、内寸はD300あるので、日常で使用する器やアートブックなどの大判の書籍も問題なく収納可能。脚部はオーク無垢材を削り出したテーパーレッグで軽やかさも与える。見せる収納に特化したキャビネットは空間をクリーンに且つより居心地の良いものに高めてくれる頼もしい存在となるだろう。

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コメント： 萱野

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