HIKE

1960年代、デンマーク人デザイナーKai Winding（カイ・ウィンディング）によるネストテーブル。

Kai Windingはチークやローズウッドを使用し、テーブルと収納家具を主にデザインしており、特にテーブルはシンプルで繊細な造形の作品が多く残る。今回のネストテーブルの製作はPoul Jeppesen Mobelfabrikによるもので、Grete JalkやOle Wanscherなどの著名デザイナーの家具も手掛けた名工房。

本作で目を引くのは、彼のデザインの特徴である極限まで細く作られた脚部と貫。1台だけでももちろん美しいが、3台がまとまった際に描かれるラインのエレガントさはネストテーブルだからこそ得られる魅力だ。素材は個体数の減少から輸出入の制限が掛けられ、希少価値の高いローズウッド。力強さと妖艶さを合わせ持つ表情により、コンパクトな家具ながらも確かな存在感を放つ。

大きさの異なるテーブルが入れ子状に集約されるネストテーブルは、ソファ前やイージーチェア横のリビングテーブルやベッド脇に置くナイトスタンド等、使用場所の選択肢が多く、汎用性が高い。それぞれの天板裏にはガイドレールが備わり出し入れの動作はスムーズ。最も大きなテーブルを持ち上げれば3台まとめて簡単に移動する事ができる使い勝手の良さも魅力的。来客時にはばらして、それぞれゲストの手元に持って行くのも良い。北欧家具の魅力の1つに「機能美」があるが、まさにこのネストテーブルはその言葉が体現されたプロダクトではないだろうか。

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コメント：萱野

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