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ハンス・ウェグナーによるローボード「RY26」。モデル名が示すように製作はRYモブラー。現存しないファクトリーだがウェグナーのキャビネット類を数多く手掛けたことでよく知られており、その腕は確か。オーク材の表情をストレートに表現したシンプルな平面構成は、良質な木材を吟味しているからこそ成せる業と言えそう。およそ半世紀の年月を重ね、飴色へと深みが増した豊かな表情はまさにヴィンテージといった風格が漂っている。

幅2000mmの大きな本体に対し、前面は2枚の扉のみで構成。木目は縦に使用することで天板面と直角となり動きを表現しているのでしょう。丸く彫り込まれた手掛けは扉を開けるきっかけを与えてくれるだけでなく、その陰影が扉の厚みを私たちに伝えてくれる。扉上部に4つ見える丸い金物は、扉の裏面にセットされているレールパーツを固定しており、よきアクセントに。こうした構造体を意匠へ転換させるデザインは、CH30の楔(くさび)やザ・チェアのフィンガージョイントも同様でウェグナーらしい発想と言えるところ。

扉内部は4部屋に分かれ、内3つのスペースは可動棚がセットされたオープン棚。収納する内容に応じて高さ調整することで書籍から日用品まで効率的に収納することができるでしょう。向かって最右のスペースには文具や手紙などの書類を収められるトレーが3杯。トレーを引き抜き、デスクやテーブルに持ち出して使ってもいい。トレーや棚板など、普段は扉に隠れている内部までオーク材を使用した贅沢な仕上がりはさすがの一言。

本体と同調するようにストレートな4本の角脚がしっかりと床を踏みしめている。脚先にはローズウッド材を用いることで意匠のワンポイントとしつつ、足が当たるなどしてついた傷・汚れを目立ちにくくする機能も考慮したのでしょう。本体がよりクローズアップされるよう横方向への貫を廃しておりますが、その分本体底面の板厚はかなり厚い材を使用しているのでご安心を。 簡潔な意匠をストイックに追求しても尚、およそ半世紀以上の使用に耐え、いま私たちの前にこうして美しい姿であることが何よりもウェグナーの確かさを証明している。


コメント:中島


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Hans J Wegner / RY Mobler / Denamrk / 1958 / Oak wood
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