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生涯で500脚以上の椅子をデザインしたと言われるハンス・ウェグナー。 事実、ヴィンテージとして我々の手元に届くウェグナー作品の大多数は椅子が占める。 椅子に比べれば圧倒的に数は少ないが、ウェグナーはキャビネットのデザインも行っている。 その数少ないキャビネットの製作を担っていたのが今は亡きデンマークの名工房RY Mobler。 今回ご紹介するこちらのキャビネットもRY Moblerにて製作されたもの。背面には「24 AUG. 1954」と製造日の印が誇らしげに残る。当時は、それぞれ幾つかのバリエーションから選べるシステムユニット式のシリーズとして発売され、その家に適した用途のキャビネットとして納められていた。 こちらはその2段ユニットの1つ。

上台は本棚とライティングビューローで構成されている。書籍やオブジェの収納に最適なフルオープン仕様の本棚には可動棚が1枚。セットされる棚板前部は、斜めに傾斜したデザインで実際の棚板厚よりも薄く見せる効果と、手前に本を抜き出す動作をスムーズに行えるよう考慮されている。

中段の鍵穴にキーを差し込み手前にフォールディングすると、大きな扉はデスク天板へ早変わり。天板は幅、奥行きもあり資料を広げてのPC作業や書き物をするのに十分な広さ。 書類、ダイレクトメール、文具などを収めておける棚やトレーが細かく設けられデスクランプも点灯しますから通常のデスクと同様にまたはそれ以上の使い勝手の良さ。

下台はチェストをベースに構成、下3段の引出は幅が広く、深さもある為洋服から日用品までお部屋の収納力をサポートしてくれそう。上段は、大きさの異なる3杯の引出しが備わっている。右側の引出には施錠機能が備わり大切なモノも収納可能。無垢材を丁寧に削り出したハンドルは、平面構成に陰影をもたらし立体感を感じさせる。ほどよい厚みと丸みは握った際のホールド感も素晴らしい。

本体側板と脚は一体で、脚先には扉、引出と同様に汚れに強いチーク材を使用。下方にオープンスペースを確保する事で視界の抜けを良好にしつつ、本体に体を近づけた際に爪先が当たらない細やかな配慮がなんともウェグナーデザインらしい。

1台で、本棚、デスク、チェストの機能を持つ家具のため汎用性も高く、永きに渡りご愛用いただける事でしょう。


コメント:谷山


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18S06-0072
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Hans J Wegner / RY Mobler / Denmark / 1950's / Teak & Oak Wood
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