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ハンス・ウェグナーがデザインしたゲタマ社のソファGE240。椅子の巨匠と称されるハンス・ウェグナーは生涯500脚以上の椅子やソファをデザインしたことで知られ、それは単に500脚を作ったのではなく売れるものをデザインしたことに凄味がある。また、デザインの手法としてリ・デザインを大切にしていることも有名で、キャリア初期に手掛けたチャイニーズ・チェアは中国明代の椅子が元となったとされるが、特筆すべきは主に自作をリ・デザインしてきたこと。つまり、500という数は豊富なバリエーションではなく彼の深みと考えると、椅子の巨匠という真の意味に気付かされる。

本作を見ていくにあたり、ウェグナーの作歴も振り返ってみるとGE240が誕生する5年前、1950年にヨハネス・ハンセン社で製作されたソファ、ブッケストーレン(湾曲した椅子)にGE240はよく似ている。そのブッケストーレンはまた別のアームチェアの特徴も見受けられることから、GE240に至るまでに何度かリ・デザインを繰り返されてきたことが分かる。ゲタマで作られたソファと言えば、量感のあるGE290をまず想い浮かべるのだが、本作は丸みのあるウッドフレームが特徴的。これは50年代に流線形の家具が流行していた影響を受けデザインされたものと思われる。道具としての確かさ、意匠の好みは家具選びに重要だが、それが特別なヴィンテージとなればこういったサイドストーリーが分かると尚面白いだろう。

それでは腰を降ろしてみよう。クッションはウレタンフォームとスプリングで構成されており、はじめウレタンの柔らかい触感のあとスプリングがお尻をしっかり受け止めてくれている。それほど沈み込むことなくしっかりとお尻を支えてくれるので、安心感のある座り心地だ。座の角度は控えめで、腰痛もちの私でも長く腰掛けていられそうである。国内で張替、ウレタン交換を済ませ、スプリングは調整して当時のまま使用。ボタン締めされた立体感あるフォルムを活かすべくやや起毛したファブリックをセレクト。曲面に現れる陰影のグラデーションがとても美しい。

意匠を左右するウッドフレームは、角がなく思わず手を添わせたくなる滑らかなフォルム。特に丁寧に削り出されている肘掛けの造形美から、嗜好品であるシガー(葉巻)ソファという愛称で呼ばれることも。肘掛け後方から背を支えるように備え付けられた部材は、背もたれの強度を確保しながら、無垢材の反りを抑える役割を担う。構造的な要素を大胆に意匠として魅せるところはウェグナーらしい。そして脚はひと工夫加えて、中央部に膨らみを持たせた造りをしている。これはギリシャの古い神殿の柱などに用いられる建築技法エンタシスからインスピレーションされ、このソファの繊細さや美しさを象徴するポイントになっている。オーク無垢材は長い年月を感じさせる深い飴色に経年変化。構造、そして職人の技術力なくしてこの表情はありえない。

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コメント : 中島


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Hans J Wegner / Getama / Denmark / 1955 / Oak wood
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