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生涯で500脚以上の椅子をデザインしたとされるハンス・ウェグナー。椅子に比べて数は少ないが、デザインアプローチの優れる彼はキャビネットも優れている。製作を担うデンマークのファクトリーRYモブラーの特長を活かしたデザイン、小さな模型から実寸までいくつもの段階を経て構造、意匠、製造過程など検証。良質な材料を贅沢に用いたクオリティの高さは、潔い意匠によって上手く表現するあたりはさすがウェグナーと言ったところ。それでは詳しく確かめていきましょう。

上台は本棚とライティングビューローで構成されている。棚板は可動式なので効率的な収納が可能。各棚板の小口は厚みのある無垢材が用いられて、ウェグナーらしい重厚さが道具としての信頼感に繋がり、臆せず本を収めておけそう。丸みがつけられ手前に本を抜き出す動作がとても滑らか。

脚元のオープンスペースによってキャビネットに近づいてもつま先がキャビネットにぶつからない工夫がされているから、小柄な方でも高い位置にある本の出し入れが楽に感じるはず。また下段よりも奥行きを抑えることで開放的な印象を与えているところもいい。

ビューローの鍵穴にキーを差し込み手前にフォールディングすると、大きな扉はデスクの天板に早変わり。天板は幅、奥行きもあり資料を広げてのPC作業や書き物をするのに十分な広さ。 棚やトレーが細かく設けられていますから、書類、ダイレクトメール、文具などを収めて天板上をいつでもクリーンに保つことが出来るでしょう。

下台扉の中央には珍しい真鍮金具がひょっこりと。丸い穴に人差し指をひっかけて左に軽く動かせばロックが外れて扉が開き、閉めれば自動的にロックがかかる仕組み。シンプルの極みとも言えるツマミは燃え上がるようなチーク材の木目をいっそう生き生きと感じさせてくれる。内部は可動棚が2枚。収納物に合わせて間隔を調整すれば効率的に収納可能。奥行きもたっぷりありますから生活雑貨を沢山収めておけるでしょう。内部はビーチ材で仕上げられてクリーンな印象に。中央の柱は上からの加重に対応するため。本体に用いられるオーク材は深い飴色に経年変化。元々は明るい色の木材だったけれど、扉と脚先に使われたチーク材と同調するような色合いには確かに半世紀の歴史を感じる。


コメント: 中島


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Hans J Wegner / RY Mobler / Denmark / 1950's / Teak & Oak wood
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