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ハンス・ウェグナーは生涯200以上の椅子を設計してきたが、中でも最高傑作とされるザ・チェア (JH503) 。意匠、座り心地などあらゆる点で完成度が高く、彼自身「初めて自分らしさが出せた」「無駄がない」と満足げに語っている。しかし、1949年の椅子発表時にはラウンドチェアという名で呼ばれさほど話題にならなかったのだが、1960年、当時のアメリカ大統領ジョン・F・ケネディが出演したテレビ討論会で使用されたのを機に評価が高まった。以来、ケネディを傍で支える堂々とした椅子の姿から“椅子の中の椅子”という想いを込めてザ・チェアという呼び名が浸透した。

当時、製作を担当した工房ヨハネス・ハンセンはまだ若かったウェグナーの才能を見込み、工房の一部を自由に使わせたそう(ウェグナーはデザイナーでありながら職人の一面もあった為) 。時には技術的なアドバイスを送るなどしながら試作品をどんどんと作りあげていく過程で、ザ・ チェアなどの名作がここで誕生した。現在ではPPモブラーがその役割を引継ぎ製作されている今、この椅子にはヨハネス・ハンセン社の焼印が誇らしく残されている。ヴィンテージファンにとっては垂涎ものの一品だろう。

この椅子の最も特徴的なところは、背もたれから肘掛けにかけての曲線美。3つの部材をフィンガージョイントと呼ばれる強力な工法で組み合わせられている。ジグザグとした継目がそれで、しっかりと乾燥させた良材と高い技術力を有した職人でなければ形作ることは出来ないテクニック。因みに1949年の発表時には背もたれにラタンが巻き付けられているのだが、当初はフィンガージョイントではなかったため目隠しの役割を果たしていたのだとか。つまりフィンガージョイントは意匠としても重要な要素を担っていたということ。このような改良を続けたことによって導き出された完成形を見ていると、リ・デザインを合言葉に現状に満足しないウェグナーの物作りに対する姿勢がうかがい知れる。

腰を降ろしてみるとレザーシートがまずお尻を優しく受け止めてくれる。幅、奥行きにゆとりがありますから開放的で長時間のデスクワークにも難なく対応してくれるだろう。また、量感のある背の笠木は背中の曲面と見事にフィット。深く腰掛けてもよし、浅く腰掛けるもよしとオールマイティな座り方、もしくは体格の方にご満足いただけるでしょう。肘掛けの腕当たりもとても滑らか。厚みのある座枠が強固に連結し、脚に貫を設けることなく揺るぎない安定感を実現。座ってみても道具としての確かさがよく伝わってくる椅子である。

在庫は4脚。単体のご購入も可。左記価格は1脚単位。
PPモブラー社現行品のご案内も可能です。(¥653,000〜)

追記:2脚販売済み、残り2脚。


コメント:中島


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Arm Chair
171218-0003
W630 D530 H770 SH440 配送料金Bランク
Hans J wegner / Johannes Hansen / Denmark / 1949 / Teakwood
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