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デンマークを代表する家具デザイナーハンス・ウェグナーによるキャビネット RY20。椅子の巨匠と称され、椅子やソファにフォーカスされる事が多いがキャビネットでも秀作を残している。中でもこのRY20は代表格であろう。単純な平面構成に陥りがちなキャビネットデザインをウェグナーはどうアプローチしているか見ていきましょう。

まず存在感を示すのは意外にも側板。贅沢にチーク無垢材を用いて丸みを出すことで量感や立体感を表現しており、いかにもウェグナーらしい大胆さと言ったところ。収納部分は2つのユニットを組み合わせており、中央と足元に余白をもたせてレイアウトするというユニークな構成。下のチェストは浅いが奥行きがあり木目は横使い。一方上のキャビネットは高さがあるが奥行きは浅く木目は縦。ハンドルデザインも異なることからバラエティに富んだ意匠的工夫が感じられる。抜群の収納力がある大型キャビネットながら開放感がありますから、サイズ表記ほどの大きさを感じさせない点も抜かりない。

キャビネット内部には可動式棚板が左右2枚ずつセットされ沢山の食器が収納できそう。チェストには6杯の引出。カトラリーやリネン類の他、細かな日用品をたっぷり納められるのは嬉しい。キッチンキャビネットとしての活用はもちろん、書籍や日用品を納めつつ、中央オープンスペースにはオーディオやオブジェをセットすることでリビングボードとしても活用できるでしょう。ノックダウン式(組立式)なので搬入は室内からで問題ない。上下ユニット、左右側板の4つのパーツに分かれる。しかし、まるで分割式とは思わせない一体感のある仕上がりにはさすがウェグナーと言わざる得ない。

背面には1954年12月12日の刻印が残り、今から60年以上前の製造されたことを示している。多くのキャビネットならば扉レールはプラスティックだがこのRY20はナラ無垢材を使用。さらに経年変化したチーク材もご覧の通り見事な色艶に。きっと空間の象徴的な存在となることでしょう。彼のデザインした椅子やテーブルとコーディネートすれば完成度の高いダイニングシーンを構成でき、私たちの目を楽しませてくれるはず。


コメント:中島


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Hans J Wegner / RY Mobler / Denamrk / 1955 / Teak wood
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