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デンマークを代表する家具デザイナーハンス・ウェグナーによるキャビネット RY20。椅子の巨匠と称され、チェアやソファにフォーカスされる事が多いがキャビネットでも秀作を残している。中でもこのRY20は代表格であろう。単純な平面構成に陥りがちなキャビネットデザインをウェグナーはどうアプローチしているか見ていきましょう。

まず存在感を示すのは側面の太い柱。贅沢にチーク無垢材を用いたことによる量感はいかにもウェグナーらしい大胆さが感じられるところ。収納部分は2つのユニットを組み合わせており、中央と足元に余白をもたせてレイアウトするというユニークな構成。下のチェストはたっぷりとした奥行きがありますから、カトラリーやナプキン、トレーなど沢山しまっておけそう。一方上のキャビネットは奥行きを抑えて存在感が抑えられている。目線の高さとなり腰を折らずに出し入れが出来るので、使用頻度の高い食器などはこちらにどうぞ。そうそう、上下ユニットの前面木目が縦横切り替えていることにお気づきでしょうか。ハンドルデザインも異なることからバラエティに富んだ意匠的工夫が感じられる。抜群の収納力がある大型キャビネットながら余白が開放感を与えてくれるので、サイズ表記ほどの大きさを感じさせない点も抜かりない。

上段キャビネット内部には可動式棚板が左右2枚ずつセットされ沢山の食器が収納できそう。下段チェストには6杯の引出。ダイニング用品の他、細かな日用品をたっぷり納められる機能性は嬉しいところ。もしくは書籍や日用品を納めつつ、中央オープンスペースにはオーディオやオブジェをセットすることでリビングボードとして活用するのも素敵そう。いずれにしてもお部屋の象徴的な存在として活躍してくれるに違いありません。また、ノックダウン構造(組立式)なので上下ユニット、左右側板の4つのパーツに分割可能。搬入は室内から難なく運び込める。意匠、機能性、輸送など様々な側面から見てもよく考えられたキャビネットである。

背面には1956年9月3日の刻印が残り、今から60年以上前の夏にデンマークで製造されたことを示している。多くのキャビネットならば扉レールはプラスティックだがこのRY20はナラ無垢材を使用。さらに経年変化したチーク材もご覧の通り見事な色艶に。彼のデザインした椅子やテーブルとコーディネートすれば完成度の高いダイニングシーンを構成でき、これからも私たちの目を楽しませてくれるはず。


コメント:中島


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Hans J Wegner / RY Mobler / Denamrk / 1955 / Teak wood
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