ハンス・ウェグナーがこの椅子を手掛けたのは今から80年も前の話。デンマークを代表するデザイナーとして数々の作品が語り継がれているが、その起源はチャイニーズチェア(1944年)やザ・チェア(1949年)とされる場合が多い。しかし、本作はウェグナーがアルネ・ヤコブセンとエリック・ムラ―の共同事務所に籍を置いていたとき、オーフス市庁舎の家具デザインを任され1941年に誕生した。当時27歳、大きな転機であったことだろう。大会議室の巨大な円卓にズラリと並ぶ様子は圧巻である。製品化もされたようだが、ウェグナー初期の作品となり、その数は少なく希少。
派手さはないが細身のフレーミングに加え、各部材が滑らかに接続される流麗なラインが美しい。全体にくせのない淡白な木目ながら、マホガニーならではの杢も用いられて上質な佇まいに感じる。脚部の貫が的確に配されており、堅牢性も申し分ない。ブラックのレザーシートは少し緊張感を漂わせ、ちょっと背筋が正されるよう。だが、腰を降ろしてみると、ゆったりとしたシートが優しく体を受け止めてくれる。深く腰掛けても、浅く腰掛けても、ふくよかなシートが柔軟に対応してくれ、姿勢が崩れすぎることなく長く腰掛けていられる。この椅子のジャンルがカンファレンスチェア(会議椅子)であることを考えれば、オフィスチェアとイージーチェアの中間のような位置づけ、と言えるだろう。
レザーはハイクオリジナルのアニリンレザーに張替え済み。その際に中材の交換も済ませているので、座り心地は前途の通り良好。風合いの変化を楽しみながら末永くご愛用ください。
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ハンス・ウェグナーがこの椅子を手掛けたのは今から80年も前の話。デンマークを代表するデザイナーとして数々の作品が語り継がれているが、その起源はチャイニーズチェア(1944年)やザ・チェア(1949年)とされる場合が多い。しかし、本作はウェグナーがアルネ・ヤコブセンとエリック・ムラ―の共同事務所に籍を置いていたとき、オーフス市庁舎の家具デザインを任され1941年に誕生した。当時27歳、大きな転機であったことだろう。大会議室の巨大な円卓にズラリと並ぶ様子は圧巻である。製品化もされたようだが、ウェグナー初期の作品となり、その数は少なく希少。
派手さはないが細身のフレーミングに加え、各部材が滑らかに接続される流麗なラインが美しい。全体にくせのない淡白な木目ながら、マホガニーならではの杢も用いられて上質な佇まいに感じる。脚部の貫が的確に配されており、堅牢性も申し分ない。ブラックのレザーシートは少し緊張感を漂わせ、ちょっと背筋が正されるよう。だが、腰を降ろしてみると、ゆったりとしたシートが優しく体を受け止めてくれる。深く腰掛けても、浅く腰掛けても、ふくよかなシートが柔軟に対応してくれ、姿勢が崩れすぎることなく長く腰掛けていられる。この椅子のジャンルがカンファレンスチェア(会議椅子)であることを考えれば、オフィスチェアとイージーチェアの中間のような位置づけ、と言えるだろう。
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