SOLD OUTArchives

ハンス・ウェグナーによるダイニングテーブル「AT316」。頭文字ATはウェグナーとタッグを組み数々の名作家具を生み出したデンマークの家具メーカーAndreas Tuck社の証。現存しないメーカーの為、ヴィンテージでのみ存在する希少価値の高いテーブルといえるだろう。

まずはこのテーブルが生産されていた頃の歴史的背景を知ると面白い。先に述べたAndreas Tuck社はウェグナーのデザインした家具を各メーカーが得意分野に応じて製作し、共同で販売する団体=Salesco(サレスコ)のメンバー。ちなみにSalescoの他加入企業はCarl・Hansen、GETAMA、AP Stolen、RY Moblerというデンマークを代表する名だたるファクトリー。Salescoの活動によりウェグナーの家具はデンマーク国内だけでなく、海外(特に米国)でも人気を博し、大きな飛躍を遂げる。その中でAndreas Tuck社はテーブルとデスクの製作を任されており、今回紹介するテーブルもウェグナーの国際的な活躍の一端を担っていたといっても過言ではない。

AT316にはチーク材・オーク材のバリエーションがある中で今回ご紹介するのはチーク材のモデル。しっとりとした深い色味に経年変化が進み、時がもたらす美しさを内包している。伸長式のテーブルはメイン天板とサブ天板の木目に統一感が無いことがしばしばあるが、こちらは広げた際の木目の流れ、色合いの馴染み方も見事。天板幅は1400mmと大人が横並びで2人座っても、肘が当たってしまうような窮屈さは無く、奥行も900mmなので4人座ってもゆとりを感じる。両サイドには幅550mmずつのスペア天板がセット、最大で幅2500mmとなり10人でテーブルを囲むことができ、来客の多い方には最適。片側だけを出した状態でも水平は保たれる為、シーンに合わせた大きさを選択出来るのは嬉しい。

ウェグナーとAndreas Tuck社が手掛けたテーブルはAT303やAT312など特徴的なデザインのものが多いが、AT316だけは意匠が至ってシンプルにまとめあげており無駄がなく、デンマークの王道的なエクステンションテーブルを彷彿とさせる。ある意味、派手な造形に頼らずに普遍的で道具として使い勝手が良いモノを目指し、作り続けてきたウェグナーらしさが色濃く表現された1台だろう。長く使うものだからこそ飽きの来ないデザイン性と状況に合わせて対応できる利便性を両立したものを選びたいと改めて思わせるプロダクトだ。


コメント:萱野


新型コロナウイルス感染対策について


2000年のオープン以来、「物質の循環」「自然との共生」をメインテーマに、ヴィンテージ家具の永続的使用を追求し続けています。末長くお使いいただけますよう自社プロスタッフが可能な限りのメンテナンスを施しました。ご検討、ご購入前に下記を一読していただけますようお願いします。

ハイク品質と特性  生地張替  サポート  木材種類  無断転載について

Table
22D09-0075
W1400 D900+(550×2) H720 配送料金Dランク+組立
Hans J Wegner / Andreas Tuck / Denmark / 1960's / Teak Wood
SOLD OUT