HIKE

自らマイスター(職人)としての技術を持ち、木への理解も深いハンス・ウェグナーは生涯500以上ものチェアをデザインした。それらを実現できたのは、良きメーカー、良き職人と出会えたことが大きいだろう。事実、ウェグナーは良いデザイナーになるためには職人と共同作業をする事が大切だと公言していたと言う。こちらのGE375イージーチェアは、デンマークのマットレスメーカーGETAMA社と協力して1969年に発表されたモデル。

木の素材を存分に味わうことの出来る大胆で骨太な構造の木フレームが印象的で、複雑に組合わさった背面意匠は壁面に置いてしまうのを躊躇してしまう程美しい仕上がりだ。腰掛けてみると、低重心で座と背の角度が深くゆったりとしたシートポジション。ヘッドレストが頭までしっかりサポートしてくれるので、上半身に余計な力が入らずリラックスへと誘ってくれる。ヘッドレストの高さはパーツの取付け方を変えることで調整可能。秀逸なのはその簡単さ。これなら体格の異なる家族とシェアしても快適に過ごすことができそうだ。シンボリックな幅広のアームに腕を乗せれば、木肌の温もりが伝わってきて自律神経が整うような感覚。読みかけの小説やマグカップを置けるサイドテーブルとして活用すれば、スペースを広々と活用できるだろう。

張地は今年で創業68年になるデンマークの老舗生地メーカーDANISH ART WEAVING社社の「Nice(ニース)」(￥25,900/m)。創業当時のラインナップをいまでも大切にする同社は、一貫した管理の中で行われる紡ぎ、染色、織りから生まれる高品質な生地を提供。そんな50年代の雰囲気をまとったクッションと飴色に経年変化したオークフレームは旧知の仲とも形容できるほどに上手に馴染んでいる。ウールとリネンの混合生地でさらりとした質感がとても気持ちが良く、風合いの変化を楽しんでいくことができそうだ。

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コメント： 中島

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