HIKE

生涯で500脚以上の椅子を手がけたとされるハンス・ウェグナー。ヴィンテージ市場で見かける彼の作品の多くは、椅子やソファといった座具が中心だ。しかし、彼は優れたキャビネットのデザインも残しており、その製作を担っていたのが、今はなきデンマークのファクトリー、RY Møbler社である。本品は同社が製造したRYシリーズのうち、RY5とRY15を組み合わせた一台。当時は上下を自由に選べるシステムユニットとして、いくつかのバリエーションが用意されていた。

上段はシンプルなオープンタイプのブックシェルフで、可動棚が2枚付属する。細かな高さ調整が可能なため、収める書籍に合わせて無駄なく収納できるのが魅力だ。棚板には適度な厚みがあり、量を気にせずたっぷりと収めておけそうだ。背板に現れる木目も美しく、あえて詰め込みすぎず、余白を活かしてオブジェを飾るのもおすすめ。棚板の奥行きは320mm。大型のアートブックにも対応できる、余裕のあるサイズ感も嬉しい。

下段には、シンプルな観音扉が備わる。ここでぜひ注目してほしいのがツマミ部分だ。指一本分の穴に指をかけ、横へ軽く動かすことでストッパーが外れるという、非常に洗練された仕組み。他の家具ではあまり見かけないことから、本作のためにウェグナー自身が考案したものと考えられ、機能性と細部への徹底した姿勢が感じ取れる。内部には可動棚が2枚。一般的には中央に仕切り板を設ける構成が多いが、本作では強度を確保しつつ、手前の柱材で支える構造を採用することで、奥行きを余すことなく使える設計となっている。雑多になりがちな生活用品も、この一台ですっきりと整うはず。

本体にはチーク材を用い、脚部にはより傷に強いオーク材を採用。耐久性を高めるだけでなく、素材の違いによる色味のコントラストがさりげないアクセントとなっている。脚元にオープンスペースを設けることで圧迫感を抑えつつ、本体に近づいた際につま先が当たりにくいという実用面での配慮も見逃せない。上下分割構造のため搬入も行いやすい。扉の裏には、安全性や耐久性、素材・製造工程まですべての基準を満たした工房のみに与えられる “Danish Control” のステッカーが残る。

基本的には上台を下台に載せるだけのシンプルな構造ですが、転倒防止のため背面に上下連結金具を付属いたします。

可能な限りメンテナンスを施していますが、下段内側に輪染みと、上段背板に棚板の日焼け跡が残っています。使用には差し支えございませんが、状態が気になる方は現物確認後のお申込みをお願いいたします。

「カートに入れる」ボタンよりお申込み下さい。お振込・カード分割でのお支払いをご希望の場合はお問合せフォームよりご連絡お願いいたします。別途ご案内のメールをお送りいたします。

コメント： 田中

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